イタリアに住むことになりまして

すっかり大人な40過ぎからのイタリア暮らし!移住に伴う愉快なこと、生活しながら感じること、あとたまにはお堅い話もしてみたい。

遠距離恋愛から渡航に踏み切った時のこと

このタイトル書いた時に、聞いてませんけど?って声が脳内で聞こえてきたのですが、一旦無視して書き連ねますね。独り言にしては長いが。

 

最近だんだん日本が入国規制緩和し始めていますね。

しかし現時点(2022年6月)で日本国籍で個人で日本に行きたい人は、短期間滞在でも事前のビザ申請が必要だったり、それも誰でも取れるわけではなく諸条件をクリアできる人しか上陸できないです。ずっと規制の状況に注目してきた私としては、規制が緩んだという感覚がそんなにないという現状。

 

振り返れば、2020年2月終わりには日本でもCOVID19への危機感が広がって、その4月には緊急事態宣言、入国規制も強化されていきました。

その頃の私と今の夫ですが、まだ未婚カップルでした。次は4月に来るね〜と言って日本からその時住んでいたアイルランドに戻った彼が、以降日本に入れなくなって、試しに彼が8月にチケットを取ってみるも一向に日本の入国規制緩む気配なし。

人生で日本でこんな状況をみるのも初めてだったし(多くの人がそうだったと思いますが)、もしこのパンデミックが終わったとしても同じようなことがあったらまた国境跨ぎにくくなることもあり得る、日本に閉じ込められる…というような感覚になりました。

 

もし私が彼に会いに行けたとしても、その頃当たり前だった帰国後の2週間隔離という壁は仕事しながらだと到底無理。どうする〜?ってなりました。

会うことはできなかったですが、時差8時間の中、時間を見つけてビデオ通話をしていました。2月から私がアイルランドに行く12月初めまでの9ヶ月間毎日、できなかった日は1日か2日くらい。

当時のアイルランドは自宅から2キロとか5キロ(時期によって距離が変わった)範囲のみ移動して良し、家族以外で無闇に集まるな、みたいな決まりができたりして、彼はずっと家で仕事をしていました。

 

私の方はその時やっていた仕事は7年目になっていて、やることはやったぞ、という気持ちにもなれるような状況だったので、6月頃、冗談半分に「仕事辞めてそっち行こうかな!?」と彼に言ったところ、予想外の喜びを3日間連続で表してくれるという状況になりました。

こっちから言ったくせにびっくりしましたが、すごい極端な選択として、今後の人生でもし【日本の家族に2度と会えない】vs【彼に2度と会えない】としたら!?と天秤にかけてみて後者を選んだわけです。

また、まあもし日本に帰ってくることになっても、その時はその時で自分の人生に責任持つし、40年くらい日本にいて、家族にはもういっぱい会ったしなぁ!という。※その後2度と会えなかったわけではないですので悪しからず〜

 

そういうわけで、行く決意を固めたのは2〜3日の出来事。

一番緊張したのは親への報告です。姉がいますが、姉には彼が日本にいる時に会ってもらっていたりしたので、すでに相談済み。彼の人柄もなんとなく知ってくれていたし、知ってて話せる人がいて良かったです。

仕事を辞めて外国に行くってあんた…ってなるんじゃないかなとか、どんな反応が返ってくるか、と思ってドキドキ。親を誘ってランチをして、そのあと実家に寄って団欒している時に切り出しました。

母は私が話している途中というかかなり初めの方ですでに泣いており、父はニコニコしているし、結果的に外国に行くとかそういうことより、40過ぎまで独身を貫く次女に、そんな報告して来るほどのいい人ができたということにホッとしたのが強かったみたいです。余談ですが、貫きたくて貫いていたんじゃないですよ、言っときますけど…。

相手がイタリア人であることについての質問とかもほぼなくて、うちの家族の柔軟さに改めて感心しました。

 

そんなわけで、そのあとすぐ職場にも退職の旨をお伝え、自分のその時の立ち位置的にすぐやめちゃうとかなり迷惑な状況なのはわかっていたので、半年後に出社が終わる感じで考えていて、希望通りに話がつきました。ありがとう会社。

お別れでもらったお花です

人生でも大きな出来事でしたが、色々とスムーズに進んでくれて、何者かに(誰)、それでいいんだよ〜と言われているようでした。

新しい門出でしたが、パンデミック下で悲しい話もたくさんあった中だったので、この状況を話したのは家族や職場の上司、頻繁に連絡を取り合うような少数の友達くらいにしておきました。

 

彼の受け入れ態勢も支えとなり、人生の流れでもちょうど区切りのつけやすい時期に来ていたみたいで、気持ちよく踏み切ることができたわけです。ありがたや、ありがたや。

 

また話が最初に戻りますが、まだまだ規制が緩和されたといえないし、おそらく日本国内でされている報道からは見えていないと思いますが、未婚カップルは引き続きビザ取れるの?取れないの?という状態ですね。国民の安全第一なのは大賛成だけど、国際的な立ち位置として根拠が問われるような規制をかけ続けているのでは…と懸念してしまいます。

 

このまま解除が進んで、会えなかった人たちがコロナ前のように会えるようになった時、ただの感動物語として消化されないといいなと。当事者がどのように乗り越えていたか、または乗り越えられなかったか、様々です。国内にてどれほどの損失があったのか等を冷静に振り返っていただき、次のパンデミックなどの際に活かしてほしいなと心底思います。