イタリアに住むことになりまして

すっかり大人な40過ぎからのイタリア暮らし!移住に伴う愉快なこと、生活しながら感じること、あとたまにはお堅い話もしてみたい。

イタリアに住んでいて見かける人々

私は随分前にイギリスに1年住んだことがあり、たった1年といえばたった1年ですが、それでもそれまで日本で生まれ育った私には貴重な体験となりました。

同じ欧州といえど、今はイタリア、日本人間で「欧米では〜」という言い方があるように欧も米も一緒くたに語られることも少なくないですが、欧州でも北に位置するイギリスと、南側にあるイタリアで西洋文化として共通することもあれば、(私が)初めて見る状況も多いです。

 

なんか前置きが長いな、そんなわけでこっちに来て見かける人々について。

 

 

うちにお金をもらいにくる人

ある日家のチャイムが鳴ります。

まだ義両親と完全同居していた時、マンマは家の正面の窓を開けて外を覗いて誰が来たかを確かめる、という居留守が使えない方式でチャイムを鳴らした人を確認していました。

そして「いつもの人が来た」という感じで、徐にキッチンの隠し戸棚からコインを取り出し、おそらく1€か2€、窓からその人に挨拶しながら渡していました。私が窓の近くにいる時は私が確認して他の家族に伝えるという流れで、彼らの姿を拝見することもありました。

お金をあげるパターンじゃない時もあって、500g入りスパゲッティの箱二つとツナの缶詰を渡す時も。マンマ曰く、「いつもお金だといやらしいからね」てな理由。

その目的でうちを訪ねてくる人は2人いて、どちらも男性、1人はパッと見礼儀正しい控えめそうな方、もう1人はあちらからフレンドリーに話しかけてくるちょっと大柄な人(近所で見かける時は、なぜかいつも自転車に大きな箱をくくりつけてウロウロしている)。うちの家族の話では、どちらもアフリカ方面からの移民の方で、イタリアで働いているけどコロナ禍で仕事が減って、このように寄付してくれるお家を回っているらしい。1人はアイルランドタクシードライバーをするためにお金を貯めているらしい。

イギリスでも物乞いの人は見たし、数年前に滞在したアイルランドでも街中で近づいてきて、ランチ代ください…って言ってくる人は結構いました。家のチャイムを鳴らしてまで来るんだ、すげぇ…そして普通にお金あげちゃうんだ、と、余計にびっくりしました…。

ちなみにマンマはカトリックの教えにかなり忠実に生きている人なので、この習慣が続いている感じに見える。いろんな奉仕の形があるもんだなぁ。

 

北イタリアのリゾート地にいるドイツ語を話す人

イタリアの北側はスイス、オーストリアスロベニア、フランスと国境を接しています。(というのを書くために改めてGoogleマップを見る私)

で、国境は接していないのだけど、ドイツ人はヴァカンスのために北イタリアに来るのが好き!らしい。夫曰く。ドイツと比べると物価も安いだろうし、収入差もあるのでイタリアは大変過ごしやすいのであろうことは想像できます。天気の良い日の確率が高いとか、美味しいものが多いとか、美しい景色が至る所で見ることができるとか、確かに休暇には最高だな。

ほいで、実際湖畔のリゾート地にチラッと行ってみたりすると、周りから聞こえてくるドイツ語の多さに、本当だな!めっちゃおる!と思うのでした。

いやそれが確実にドイツ人のみなさんかはわからないのですが、オーストリアからの方か、スイスのドイツ語圏の方かもしれないな。とにかくドイツ語を話す人たち。

友人を介して知り合ったあるドイツ人の方は、その湖畔でリゾート地ならではのビジネスを展開していて、その季節だけ家族でドイツから来て滞在しているとのこと。そういうケースも珍しくないのだろうなぁ。

とにかく嬉々として満喫しておられる様子は、こちらに住むものとしてはとても和む。

湖畔のリゾート地
親切な人

日本からイギリスに行った時も、ドアを開けて待っていてくれる全く知らない人に感動したり、狭い歩道を「After you」と行く先を譲ってくれる人に感動したり、ということがあったのですが、私が出会したイギリスの親切が紳士淑女な雰囲気を漂わせているのに対し、イタリアの親切は超フレンドリーというかさらに空気のように漂っている印象です。

上記のリゾート地でも観光客として来ている方が英語で話して、バスの運転手さんと話通じなくて困っているのを見て、周りにいるイタリア語話者で英語を理解できる人が「⚪︎⚪︎って聞いてるよ!」と前のめりで説明してあげてたりします。そういう光景ってイタリア以外でもあるだろうけど、前のめり感をイタリアの人からはしっかり感じる。

同じくバスの場面で、足の不自由なご年配の方が乗ってきた時に運転手さんが、「そこの女子たち席譲って!」と即座に乗り口近くの若者2人にアナウンス、そそくさと動く女子たち。そういった方が降りる時も降車の際に近くにいる誰もがすごく自然にヘルプする、そんな光景は当たり前に見ます。する方もされる方もすごい自然。

あ、なんかバスの話ばっかりだけど、こっち来てすぐに市バスに乗ってて、車内でチケットを買う小さい券売機があるんだけどうまく作動しなくてまごついてたら、「これは多分こうやって、あれ?こう?あれ?こうすると買えると思う」と、そんなに詳しくなさそうな乗客のお姉さんが秒でやってきて教えてくれようとしたり。

 

イタリアに住んで、行政が関わる手続きとか、マジでクソほど時間かかって最悪と思うことも多い(悪口)けど、人を助けるのが好きというか、自然に身についている人も多いところは大好きです。

 

 

きっと日本から直でイタリアに来ていたらもっといろいろ衝撃がありそう。あとミラノのような大都市だったり、南イタリアだったりでも全然見かける人が違って