イタリアに住むことになりまして

すっかり大人な40過ぎからのイタリア暮らし!移住に伴う愉快なこと、生活しながら感じること、あとたまにはお堅い話もしてみたい。

初めてかかりつけ医(medico di base)に行った話

年末体調を崩した期間に 目もらい ができまして、薬局で相談して売ってもらった目薬を使うなどしていました。しばらくしても良くならず、痛くないのにずっと瞼のまつ毛の付け根あたりにポコっと膨らみがある状態。どうやらこれは霰粒腫というものではという疑惑?が。

すごいめんどくさそうだなと思って避けていた医者に、とうとうかかることにしました。

 

まずはかかりつけ医へ予約

イタリアでは、Medico di base(メディコ・ディ・バゼ)と呼ばれるかかりつけ医が一世帯ごとにいます。Tessera Sanitaria (テッセラ・サニタリア)という健康保険証を発行した時に、すでに義両親や夫を担当している医者の名前を伝えられました。イギリスだとGPと呼ばれてるやつですかね。

緊急以外はまずこのかかりつけ医に直接電話で予約します。

電話した翌週の初めには予約が取れたので、かかりつけ医に予約を取ること自体が大変というのはなかったです。でも、地域やその医師のスケジュールによるかもしれませんね。

緊急以外はまずかかりつけ医(Medico di Base)へ

 

診察(ただ見るだけ)

私が行った場所は、建物に入ると受付があって、奥に幾つか診察室があるような場所でした。何人かのMedico di baseがその施設を使っていて、各部屋で各々のその日の患者を待っているという状態かなと。

受付で○時に予約している誰々です〜と伝えて、ちょっとだけ待ちました。

予約時間前後になったら部屋からかかりつけ医本人(清潔そうな普段着のおじさん)が出てきて、名前を呼ばれました。私は医者=白衣を着ている、と思っていたのですが、着てない!と、どうでもいいところで驚きました。

通された診察室はまあまあの広さがあって、コンピューターやプリンターが置かれたデスクと、隅に診察用らしいベッド、本棚とか、それくらいでさっぱりしていました。

医師とデスク越しに話し、医師が私を見て「霰粒腫だね、私もなったことあるよ」みたいなことを言ってました。本当に普通に会話しながら見るだけで、おい!それだけか!と内心…。ちなみに霰粒腫はイタリア語でcalazioと言います。こういう、実際その目に合わないと知ることがないような単語を覚える機会になりましたが、普段の会話でほとんど出て来なくて悔しい。

もっと早く来い、とか言われましたが、年末年始を挟んでいたし目もらいと思い込んでいたため、そのうち治るやろと自己判断していたので結構日が経っており、治りにくくなっていました。

その日は医師からお薬の処方箋と、公立の総合病院への予約券(紹介状みたいなもの)をもらって終わり。帰りに薬局に寄って薬を買いました。

診察自体はこっちからの質問も含めて15分あったかなぁ…。私のケースだと眼科か皮膚科だと思うので、日本だったら直接その専門医に行くところを一度かかりつけ医を挟む必要があるところが一手間ですね。

あまり待たされず診察、だけどただ見るだけ、その場での支払いは無し

 

総合病院の眼科へ予約

かかりつけ医からもらった予約表を片手に、予約番号で夫が電話をしてくれました。こういう時、私このままのイタリア語レベルだと、夫なしで病院にも行けないのだなと一時的に危機感が襲ってきます。ぼちぼち頑張ります。

そして、予約電話はだいたい担当者に繋がるのに最低30分はかかります。やっと繋がって、眼科で予約の空きがあるところがないか聞いたら1ヶ月以上先も埋まっている!でも、別の日に掛け直してくれればもしかしたらキャンセルで空きが出たりするかも、と知恵を授けてくれたためその通りにすることに。

別の日の早朝に同じ所へ電話したら、3日後に空いている眼科があるとのことで、予約の問いあわせタイミングでかなり左右される模様。でも指定された病院が家から車で30分くらいの場所で、しかも予約時間が朝の8時45分って言われました。あはは。行くけど!

かかりつけ医にもらった予約表に緊急度合いが表示されているのですが、総合病院にて診察を受けるときはまるっきり無料ではなくオンラインで診察チケット代を払います。緊急度合いによってお値段が変わりますが、私の時は20ユーロでした。

予約問い合わせのタイミングで空き状況が変わる!施設と日時は選べないこと多い

 

総合病院で診察、施設選べないのきつい

早朝に総合病院へ。ワクチン接種の時以来の総合病院で、ちょっとワクワクしてしまった…。のも束の間、この時の眼科医さんがなかなか刺激的な方だったようで。

受付を済ませて(先にチケット代払ったかの確認もあり)言われた階に行き廊下に並んでいる椅子に座って待機。眼科以外の科の部屋も並んでいて、ドアは全部閉じていました。眼科医とそのアシスタントさんが来て診察室の鍵を開けて準備のため中に入って行きました。私たちがその日1組目の患者、見ていると他の科のドアもパラパラと空いて行きました。予約開始時間はすなわち医師やアシスタントの出勤時間ということなのだろうか、私、外国にいるなぁと感じるひととき。

しばらくしたら診察室からアシスタントの方に呼ばれて中へ。夫の伊語→英語への通訳つきで診察を受けました。移住当初よりは若干何を言っているかわかるっちゃわかるのですが、聞けて20%ってところでした。なのでニュアンスは掴めず、夫も別にプロの通訳でもないので本当に大事なところをその場でシンプルに伝えてくれます。ありがとうね…。

流石に眼科医なので、専門器具でしっかり診察もしてくれて、時間もかけてくれました。考えられる今の状況と、今後の経過の見方、日々のケアとして自宅で何をしないといけないか、などを話してくれました。ニュアンスはわからずに、しっかり診てもらったわなんて思って診察室を後にした私。

 

病院を出てから夫が、あの眼科医すごい嫌味だった、一言一言がなんか感じ悪いし、余計なプライベートに関わる質問をしてくるし、差別的ニュアンスもあって、もし姑だったら離婚を考えるレベルに…と!言葉がわからないって便利なのか、なんなのか、わたしゃそんなことになっていたとはつゆ知らず…。夫はかなり穏やかな人なので、その場では得意の愛想笑いで流していたようですが、もし私が理解していたらブチギレていたのではと言われました。じゃあ結果わからなくてよかったってことか?

ちなみに後でその病院のGoogleマップ上の口コミを見たら星1がたくさんあって、どうやら他の科でもそういうことがあるよう。

20ユーロで済んだけど、施設の評判とか診て選べないのは不便

 

その後の経過と公立じゃない方の眼科について

総合病院でも処方箋と、今後は定期検診にも行きなさいと言われ予約券を発行してくれました。なんだかんだで薬代だけでここまでで合計100ユーロくらい使ったのでは。

ちなみに定期検診のための予約件ですが、問い合わせすると、初見の場合はその予約券では予約できません、と言われて無効でした。2回目以降に使える条件の予約券だったみたい。おい!

眼科医から処方された薬を真面目に使って10日ほどしても変化がなければ、また診てもらう、みたいな流れだったんですが、特に良くも悪くもならなくて、でもあの眼科には行きたくないし、定期検診の予約も結局できないしで、どうしたもんだか。

診察代がお高いので考えるのを保留にしていたプライベート(公立じゃない方)の眼科医に診てもらうという選択肢があるのですが、それも一度またmedico di baseを通して、その後また予約電話して、、、という繰り返しとなります。

その上結局また薬の処方箋だけで終わったら、それでまた特に良くならなかったら、って考えしか浮かばず今はここで止まっております。

公立に頼らず、プライベートにとっとと行けば良い場合もある

 

てなわけで、結局治っていない私の霰粒腫、瞼の上にぽこっとなっているのでメークが思うようにできないのがねー。今のところは緊急性のない状況だからいいものを?あまり放置はしたくない。

噂に聞いていたイタリアの医者へのかかりにくさを体験させてもらった出来事でした。

 

医者へのかかりにくさを一時的に忘れさせるイタリアの遺跡