先日珍しく夫が旧友たちに夕食に誘われ、私も連れられていってきました。
夫の親族で大勢集まるだとか、私が日本に帰った時に友達と集まってそこに夫が同席する、ということはこれまでありましたが、夫の旧友たちと集まるバージョンに私も同席するのはイタリアに移ってきてから初のことだったかもしれません。
うちの夫は人と集まるのが苦手なタイプで、会社で半強制のような集まりがあるとすっごく嫌がって、自分だけ参加しないとなると気まずいしかしなんとかいかなくて済む方法はないか、ギリギリまで悩んでます。ましてや自分から主催して人を集めるなんて彼にとって手に汗握るアクションは、一生しないのではと思います。
そんなわけで大変珍しい機会だったので人間観察をしてしまいました。
開始時間がゆっくり
イタリアはランチも夕食も日本の一般的な習慣と比べると遅い、というのは聞かれます。うちの周りでも大体ランチは13時前後から、家であれば夜ご飯を19時半に食べ始めるかな?外だともっと遅い?みたいな感覚です。
この日のレストランへの集合は20時半でした。集まるのは10数人でその中には幼児もいたのですが結構遅いスタート。
うちは子供がいないので聞いた話ですが、イタリアではお子さんの就寝時間も遅いようです。はるか昔の自分の子供の頃であれば、20時とか21時には布団に入るように言われていた気がするので、あ、例が古すぎますが、日本の子育てとは違うんでしょうね。
我々は遅れるの好きじゃないのでだいぶ早く家を出て、小腹を満たすためにアペリティボ(軽く一杯とオリーブや乾燥したおつまみをいただく時間)をして散歩しつつ向かいました。
店に入るまでのコミュニケーション
レストラン前には10分前くらいに着き、トイレに行きたくなってたので先に入っていようと夫と話してたら近所に住んでいるという友人が現れ、お店の前で立ち話となりました。
内心、トイレ…と思いつつ、話し慣れない相手にどう切り出せば良いのかわからず愛想笑いで話を聞きました。
私のイタリア語ですが、移住したばかりの頃と比べて耳に飛び込んでくる量は増えていて、分かる範囲でその場で作文して返事したりしています。まだまだ知らない単語が多くて、イタリア語の動詞の活用ったら多岐に渡るもんで、知識として蓄えたはずの動詞だったとしても聞きなれない活用をされると、私の脳は知らない単語として認識します。
また、人によって話し方や声の質で聞き取りづらいこともあり、少人数ならまだしも人数が増えるに従って誰の会話に集中すべきか考えるのがめんどくさく…聞いてるフリのみで理解を放棄するなどしてストレスを軽減しております。えへへ。まあぼちぼちやりますわ。
話を戻しまして、1人また2人と店の前に集まって、必ず遅れるで有名な人はちゃんと遅れてて、その人待ちでみんなが適当に会話していました。
私の頭の中は、トイレ…トイレに行かせてくれ…という感じで、緊急性はそこまで高くなかったものの、まだ全員揃っていない間に行っておいた方がいいじゃん?という気持ち。ですが、こんな時にイタリア語が不自由な私が気の利く感じで先陣切ってお店に入る方法がわかりませんでした。“気の利いたやつだと思われたい願望”がここで邪魔をするね。
そこで隣にいた夫に、あのトイレ…と告げるも、とってもシャイで有名な私の夫はタイミングが掴めず。
注文して宴が始まる
必ず遅れるで有名な人も無事に到着、それからみんなで一気に店内に入ります。なんでお店の前で来るのを待つ必要が?と思ってましたが、話が止まらないからその場にいたということだろうな。こんなことを分析している謎な日本人。
さて、私は無事にトイレに行けてもう思い残すことはありません。
家族だったりカップルだったりいろいろな集まりで、久しぶりの人もいればその何人かはたまに集まったりしているようでした。私にとっては初対面の人もいれば、何度か顔を合わせたことがある方も数人。
南アジアの料理屋さんだったので、何人かメニューの解読が難解そうにしてて、めっちゃ時間かけて選んでたんで店員さんが3回くらい聞きに来てやっとみんなお伝え。
店員さん、手際よく、ハイでは前菜からまとめて言ってください、ハイではメインは、飲み物は、みたいな感じでこの人数に対してサクサクと捌いてくれてて拍手。
ワインを飲みたかったので、ただこの人数だし他にもいるよね、と思い夫に「ハウスワイン1リットルくらい頼んでもみんな飲むかな?」ということを耳打ち、夫は皆さんにワインシェアする?みたいに聞いてくれて、即答でいんじゃね?となりました。
食事の最中は、誰かが小話をしてみんなで驚いたり笑ったりする様子で、分かるところだけ拾い聞きして、気になったら夫に今のコレコレって意味だった?と確認するなど。周りもガヤガヤしてたけどボリューム大で話すから助かった。席の近い人とは簡単な会話は交わしましたぞ。
目を合わせてくる店員さん、気になる飲み物の減り
料理が運ばれてきたりお皿を下げてもらったりのなかで、店員さんが何かを聞きたそうにしている時になぜか私が大体一番に気づいてしまいます。なぜなら私を中心に会話が展開する場面はないし、理解も100%はできてないから気持ち暇なんですね。そのうち店員さんはまず私に目線を合わせにくるように。この中で1番役立たずですけど〜汗
あと、遠い席の子供が空のグラスを握りしめてるのとか見ちゃう、あーこれってお水欲しいのかも…で、水のボトルは何個かテーブルにはあるんだけど子供の届く範囲ではなく、そもそも幼児だから親御さんがわかってるっしょとか逡巡。
あと隣のティーン男子が辛いものを食べたようでさっきから水をひっきりなしにおかわりしてて、彼の周りには空の水のボトルが…追加したほうがいいような。
でもほら欲しかったら欲しいって言うか…とか思いつつ夫にまた耳打ち「あの子(幼児)お水欲しいんじゃないかな?グラス持ったままだよ」、夫はみんなが会話してる中を割り込んでどうこうしたくなかったようで「欲しかったらきっと言うよ」と。
ここまで書いてて、なんか私って気にしすぎな過敏なやつだなと思ってきましたが、気持ち暇だった(2回目)のです。
次に店員さんが何か持ってきた時に、どなたかが新しいお皿くれとか告げている中、お水のボトル2本を注文させていただきました、それくらいなら自分で注文できっからな。ティーン男子が飲むかなと思って。
あとまた幼児を見たらまだグラス握ってるから、再度夫に「お水渡してあげてよ」って断りにくい感じで耳打ちし、やっと夫が幼児の親御さんに水をオファー、気がきくねありがとう〜!ってすんなり受け取ってもらってました。ほーら、ほーらね、要るじゃーん!!
隣のティーンも、再びガブガブ水を飲んでおります。
やってやったぜ、と自己満足しました。
デザートタイム、いつ終わるん宴
イタリア来てからみんなそんなに1回の食事でお酒をたくさん飲まないんだなってのはわかって、ただ必ず皆さん老若男女問わず甘いものまでしっかりいただきます。食の細い人でもデザートは必ず食べてるイメージ。
お店は盛況で、そろそろデザート頼みたいなという頃でしたが店員さんメニューをくれたあとなかなか来ない。基本イタリアの食事処で店員さんはなかなか来ないのは常識みたいなものではあるのですが慣れないね!
そんなこんなで合間も長く、デザート食べてからも取り止めのないっぽい話をみんなしてます。
前にあった親族の集まりでは、帰るタイミングが全くわかりませんでした。食事後も何も手をつけるものがないのにお話が続いていて、じゃあね〜誰かが立ち去る挨拶をしても、あのあれがあれだよね、と別のトピックをどなたかが話し出して、関連する人が展開させて…と「帰るんじゃ…???」と思ったものです。
今回も、きっとそんな感じかなと思って過ごしたので半分予想通りでした。しかしどなたかが体調不良を訴え始めたところで、いきなりサクッとみんな立ち上がりお会計へ。
それでいいんだけど何にしろ戸惑う私でした。
結局楽しかったかも
支払いについては夫もみんながクレカで払いたいのか現金になるのかわからず両方用意、人数少なかったらクレカで食べた分だけ払ったりしますけどね。シェアした料理もあったので幼児を除く人数で割って、各家族だったりの人数分現金払い、とすんなりことは進みました。
気づいてなかったけどお店を出た頃は23時を過ぎていて、しかしそのレストランのある広場の他のお店もまだ人がいるし、私たちがいた店内にもお食事中の方がそこそこいたので、本当にイタリアの夜は遅いのねぇと改めて体感しました。
席が離れていて話せなかった方がわざわざ、「全然話せなかったの残念だった〜。また会おうね!」と言いに来てくれたり、良い人の集まりでした♪
私はイタリアに学校のために来たとかでもないので、同世代のイタリア人の友達というのはできにくいと感じていて、こう世代の近い地元の人たちとの交流ってなんか良いなってなります。
語学学校とは違う角度から語学のモチベーションにもなるし、自分がどれだけ分かるようになったかの確認もできて嬉しい気持ちになりました。